「ぼくは、いいや」 「え?」 音は下を向く。 「おとうさんがかえってきたら、いっしょにはいる。だから、こころはおかあさんとはいって」 「…わかった」 よく、分からなかったけど。 それ以上は聞いちゃいけないような気がして。 聞けなかった。 「じゃあ、おかあさんよんでくる」 「うん」 そして、音はバスルームを出た。