「翔海・・・ありがと」 「俺なんもしてへんよ~。 屋上来ただけやん」 いつもと変わらない笑顔を見せる翔海に 胸が熱くなる。 ただ、この胸に溢れるほどの “ありがとう” を君に伝えたいって思った。 「うん。でもありがと」 また同じことを言うあたしに 翔海は優しく頭を撫でてから 「教室戻ろか」と言った。 この優しい手を持つ人に 心配をかけないようにするためにも あたしはもっと強くなりたい。 そう、願った。