「美桜は渡せねーよ」




いやいや、ちょっと待て。
あたしはお前のモノでもねーよ。



「てか、なんで翔太が
そんなにピリピリしてんの?」



意味わかんない。

別に付き合ってるわけでもないのに。



あたしと翔太はただの幼馴染でしょ?



「それは...」



翔太が答えを言いかけたとき
タイミングよくチャイムがなり、
みんな移動し始める。



「美桜ー、次音楽だから一緒に行こー
...ってあれ?もしかしてKYだった?」

「だ、大丈夫だよ。
紗楽も一緒に行くんでしょ?」

「うん。」



神楽と紗楽と音楽室に向かおうとしたとき浅井に声をかけられた。




「今週の土曜、
遊園地行かへん??」



いくら馬鹿のあたしでも、これは浅井があたしをデートに誘ってることくらい分かる。

そこまで馬鹿じゃないやい!


だから、デートを避けるために言ってみた。





「うん!みんなと一緒ならいいよ♪」