君といた季節



「あたし、警察とかに
相模くんのこと言うつもりないからね?」

「は?」



不思議そうな顔をする相模くんにあたしは深呼吸をしてからゆっくり話し始める。



「さっきは勢いで
あんなことしちゃったけど、
最初っから言う気なかったから」

「・・・・」



相模くんは何も反応せず、ただ黙って聞いてくれていた。



「相模くんにもいろいろあるみたいだし、
そこらへんはあたし関係ないし、
深く追求しちゃいけないことだと思うから・・・





このことはなかったことにしよ?」






あたしはまっすぐ相模くんを見つめながら問いかける。



盗られちゃったものは結局は全部戻ってきたし、

いろいろごちゃごちゃやるのも正直めんどい。





だから


全部なかったことにして、

貴方の背中にのしかかる重たい荷物を






少しでも減らしましょう?