私の不審な行動を一に察知したのは、水沢くんだった。 チラッと私のほうを見る。 時々目が合うと、ニコッと微笑む。 カリカリと進む、シャーペンの音。 キリキリと止まらず動く、時計の針。 私たちの額に汗が流れ落ちる。 「あら、暑かったかしら?」 と時々呼びかけてくる松下先生。 「いえ、なんでもありません」 私たちは表情を変えずにいった。