「バレなきゃ平気だって。」


結局駄目なんじゃないか。


「いつも友悟くんは……」


はぁ、と溜め息を吐く。


「莉子」


「なに?」


「俺、友悟くんじゃないし」


「はぁ?」


何を言い出す、この男。

前に俺はアンタじゃないとか言ったくせに。


屋上の真ん中まで手を引っ張られて行くとストンと座らされた。