うさぎと彼 [完]



いきなり自由になった腕。


あのチャラ男は地面に寝そべっている。

今の一瞬で何があったのか

私には何も分からなかった。


「やっぱ俺がいないとだめじゃん」

はぁ、と大きなため息を吐く。


「そんなこと……」


「ある!」


はい、そうですねありますね。


「腕、紫!」


「え?」


自分の腕に目を移すと


長時間握られていたからなのか


ホラー映画みたいに指の形に赤紫色だった。