相模先生の最初の愛称は 『きへん先生』 だった。 何故かというと、 「相模桂梧、って名前に全部木へんがついてるじゃん?」 と誰かが言っているのを 聞いたことがある。 それが進化して今は 『ウッド先生』 である。 相模先生がこの学校に 来て、もう一ヶ月経つ。 先生は、何も変わらなかった。 何事も無かったかのように 他の生徒と同じように 私を扱う。 あの夜のことは 幻だったのではないか 私を抱いた人は この人ではないのか そんなことさえ 思ってしまうくらいだった。