私には頼る人がいない。 改めてそう気づいた。 携帯電話のアドレス帳。 母の連絡先はなく、 以前寝た数人の男の 連絡先が入っているだけ。 メールをする相手もいない。 そんな私が自分でよかったと 思えた瞬間。 誰かに必要とされていると 思えた瞬間。 それが、灰色のスーツの男と 繋がっている時だった。