私は行くあてもなく歩いていた。 駅前はいろいろな店が並ぶ。 私は駅に向かうことに決めた。 誰かが声をかけてくることを期待して。 スーツを着こなすサラリーマン。 疲れぎみのOL。 塾帰りの子供。 駅の自転車置場の前を 通り過ぎる。 「ねぇ」 声。少し掠れた声。 振り返る。 誰もいない。 「そこの女子高生さん」