ふと、 頬に手をあてて拭う 仕草をして 自分に呆れた。 私には、頬を濡らす 液体なんて残ってない。 「涙」なんて、 そんなものはもう何年 も前に どこかへ置いてきて しまった。 忘れてしまった。 ‥わかってたはずなのに どうしてまだ、 胸が痛いの。