しばらく話していると、 神田くんが 「佐藤さん、帽子は?」 と聞いてきた。 「え?」 「今日暑いから、帽子ないと倒れちゃいますよ。」 「あー…。大丈夫ですよ!丈夫ですから。」 「僕、2個あるから貸しましょうか?」 神田くんは、エナメルバックから帽子を取り出した。 「え?でも…。」 「あ、洗ってあるから…。」 「いやいや、そうじゃなくて。」