「すいません、わざわざ。」 神田くんはペコッとお辞儀をして、エナメルバッグにお弁当箱を丁寧にしまった。 「お口に合うかわかりませんけど。」 「それは食べてみないと、わからないけど…。僕、食べれりゃイイって考えなのであんまりその心配はいらないです、ハイ。」 彼は自信満々にキッパリそう答えた。 「あ、試合頑張ってくださいね。」 「そんな、ついでみたいな言い方…。」 「まぁまぁ、拗ねないでくださいよ。応援してますから。」 「うーん。なぜか納得いかない。君は本当にイジワルだなぁ…。」