キミ専用テレパシー






「あ、ちょっと待ってください。」


「ん?どうかしましたか?」




すっかり忘れてた。今日のメインは、あくまで帽子を返すこと。ケーキ勝負はついでなのだ。




「帽子返すの忘れてました。これがメインイベントですからね。いけない、いけない。」



「僕もすっかり忘れてました。ケーキに夢中で。」




神田くんは、メニューを捲る手を止めて、元に戻した。



「ありがとうございました。」



神田くんは帽子を受け取ると、

「真っ白…。」と

呟いた。



「神田くんから借りた時も真っ白でしたよ?」



「いやぁ〜、なんというか…。」