「す…ンッ!!」



瞬間、鼻を掠めたタバコの香りと、“黙れ”とばかりに塞がれた唇。



キスされてる…。



そう気づいた時には、もう先生の唇はあたしの唇から離れてて…



「好きだ。」



「えっ…えと…」



キョドるあたしのオデコに当てたままの手に、少しだけグッと力を込めた先生は、



「言いたいことあんならハッキリ言え。俺みたいに…な。」



「なっ!?」



大きく目を見開くあたしを見つめながら、ニヤリと悪魔のような笑みを浮かべてて…



今…



今のって…



ってか、これって…



絶対…



間違いなく…



「……夢?」



今、我が身に起こった現実が全く受け入れられないあたしは、両手で口元を覆いながらポツリと小さく呟いた。