「諦めたら終わりだぞ?」 成海が険しい顔になった。 「諦めてる?ふざけないでよ。これで今は精一杯なの?わかる?この、気持ち。 優斗とか、お父さんとかが、悲しい顔して病室にくるの。かわいそうに。みんな、そう言ってる。そんなの、諦める以前に生きたくなくなるよ………優斗には、わかんないよ」 泣かなかった。 あんなに、泣き虫ですぐに 泣いてしまう成海が 一滴の涙も流さなかった。 逆に怖かった。