「ふ~、づがれだ~」

きららは体育館の壁にドンとよりかかって座り、おもむろにドリンクを飲んだ。

予想通り、体育館の中は蒸し風呂状態、窓を開けても、風が通らなければひとつも涼しくない。

夏の練習は地獄のようだ。

「きらら~、あとでコンビニ寄らない? あたしアイスくいてえ」

「いいよ~あたしもくいてえ~」

きららは自分に向けて扇いでいた団扇を彩に向けて扇いだ。

時計を見ると五時四十分、あと少しで練習も終わる。

きららの気持ちはすでにアイスに支配されつつあった。

きららはもう一度ドリンクを飲み、黄色いビブスを取りに行くため腰をあげた。