「ばあか……」
きららは呆れ顔で吐き捨てた。
しかし、男子からは笑いを取れて侑基は調子にのり、そのビニール袋シューズで走っては滑り、走っては滑りを繰り返し更なる爆笑をかっていた。
きららは、そんな侑基を何気なく見ていたが、ふと、その足元に目をやった。
透明なビニール袋の中に、汚れたソックスが透けて見えている。
「あっ……」
「ん? どうした? きらら」
声を出すきららに、彩が首をかしげる。
「透明な靴……」
次の瞬間、きららは侑基のもとに駆け寄り、走っている侑基の前に立ちはだかるやいなや、その足首をつかんで持ち上げた。
侑基は後ろにひっくりかえって転んだ。



