女社長は12歳

「ちょっと、ある企画を考えなきゃならなくて……」

「企画?」

「はい……」

きららは遠い空を見て言った。

「なんの企画? 宿題?」

「まあ……学校のじゃないんですけど……」

「ふうん……」
 
武田は手に残っていたハンバーガーをぽいと口に投げ入れた。

「まあ、あんまりそのことだけを考え過ぎるとドツボにはまっちゃうよ。なんていうか、リラックスしていろんな角度から考えてみるといいかもしれないよ?」

「いろんな角度から? ですか?」

「うん、見るもの聴くものすべてに注目するんだ。意外とまったく違うことから思わぬヒントを得る事があるかもしれないから……」

「なるほど……」

武田はコーラを最後の最後までズズーっとすすり、紙袋に収めた。