女社長は12歳

「……はぁ……よかった……」

メールを読み終えたきららは、携帯を抱きしめてベッドにへたりこんだ。

返事が来たことよりなにより自分のメールが迷惑じゃなかったことがうれしかった。

武田が自分のことを見てくれていたことも確認できたような気がして、それもまたうれしかった。

なにか背中を押してもらったような感じがした。

きららは小さく息を吐き、キーを押し始めた。

TO :武田コーチ
SUB:Re:Re:こんばんは
 「ありがとうございます☆がんばります!」


「よし! やっか」
 

きららは、送信ボタンを押すと携帯を閉じてベッドに投げた。

そして机に座るとノートを開き、企画に没頭するのだった。

武田のメールで、俄然力が涌いてきた。

時計はすでに十時を回っていたが、きららにはそんなことなど関係なく、ただただノートに向かって集中するのだった。