女社長は12歳

その晩の夕食前のひととき、きららはベッドに寝そべり、新商品の企画を考えていた。

いつもなら宿題をやっている時間なのだが、どうにも気になってそれどころではない。

きららは、二種類のソックスをぼーっと眺めている。

確かにこの商品、奇抜なデザインではある、珍しモン好きの若者は飛びつくかもしれない。

しかし、それを売る術など、小学生の自分があみ出せるはずもない。

「まったく……どうしろっつーの……企画って、どう書けばいいのよ……」

きららは寝っ転がってうつぶせになった。

顔をあげると、自分の机の上にある写真を見た。

両親がきららに笑いかけている。