女社長は12歳

「ああ、ちょっと、ここには住めない理由があってな……」

「どんな理由なの? おじいちゃん」

「いやその、その人……ドイツにいるんじゃ」

「ド、ドイツ~?」

「おじいちゃん、ドイツって……ドイツの人と一緒に住むっていうの? うちを出て行くって、もしかしてドイツに行くってこと?」

「……ああ、まあ、そういうことかのう」

「だんなさん、一体どこでどうやって、ドイツの女性と?」

「まあ、なんというか、インターネットって、便利じゃのう……あ、あはは……」

良造はビールを飲み干した。

「インターネットって? おじいちゃん、まさか、出会い系サイトでドイツ人をナンパしたの?」

きららは良造を更に睨んだ。