「…っ!やめてよっ…!!」 菜月のその発言や行動に、妹ではなく"愛する人"を見てしまった私は、菜月の顔をまともに見れなくなり、思わず手を突っぱねた。 その衝撃により、菜月の華奢な体は扉の前まで突き飛ばされてしまった。 ドスッという鈍い音と同時に、菜月は床に尻餅をついた。 私は肩で息をしながら、やっと菜月の顔を見る事ができた。 菜月は立ち上がらずに座りこんだまま、眉根を寄せて今にも泣き出しそうな顔をしていた。 「なん…で…」 菜月は俯きながら、ますますか細くなった声で訊いてきた。