「お姉ちゃーん」 下の階から14歳になる妹の、間延びした声が聞こえてきた。 暑さが身にしみてくる真夏の昼下がりのことだ。 「何ー?」 部屋で寝転びながら雑誌を読んでいた私は、また"遊びの相手をしろ"とでも言われるのかと思い、気の乗らない返事をした。