・・・・・出来れば会いたくなかったな。
涼太とは、中学校の時同じ部活だった。
元々男女の壁のない部活だったから涼太ともすぐに仲良くなったんだ。
私と涼太は部の中でも気が合って、二人で出かける事もしばしば。
付き合ってからも、たいして変わった事はなかった。
ずっとこのままだと思ってたのに。
涼太が別れを切り出してきたのは、突然だった。
「フランスに行く事になった。別れて欲しい。」
どれだけ抵抗しても涼太の気持ちが変わる事はなかった。
そのまま涼太は、フランスへ。
だから守がアメリカへ行くって言った時、「別れ」への不安に耐えられなくなりそうだった。
「久しぶり。」
「・・・・久しぶり。」
「唯、なんか大人っぽくなったな。」
「いつまでもあのままでいるわけないじゃない。」



