どことなく眠そうな彼女は、朝食の準備をしていたようだった。

 部屋着に着替え、居間(二人で使えるだけの広さを持つテーブルがあるというだけであるが)へ戻ると、フレンチトーストが用意されていた。

 テーブルに置いたままだったブルストとキャベツの酢漬けを広げ、簡単な朝食の準備が整う。

 質素ながらも、幸福を感じる、そういう時間だった。

 彼女の、薄緑色の肌、その笑顔、そのしぐさ。いつの間にか見入ってしまっていたようで、彼女に「どうしたの?」と指摘されてしまった。

 いや、と、それだけを答え、食事を終える。

 今夜もビズだ。それまで、睡眠をとっておかねば。