君の隣~番外編~

「ねっ?カワイイでしょ?リボンついてるのが気に入ってるの」


「はいはい」


「なんか、適当な返事」


プっと頬を膨らませる里穂。


てかさ、上目づかいとか頬を膨らますとか、反則だろ?


「行くぞ」


照れた顔を見られないよう、サッサと歩き出す。


「あっ、待ってよ」


トコトコと俺に追いついてきた里穂は、サッと俺の手を握った。


「修斗の手温かい」


「里穂が冷たいんだよ」


「だって、冷え性なんだもん」


冬になると、いつも里穂の手は冷たくなる。


だから少しだけ、力を込めて握ってやるんだ。