「なんか、今自分の中で、どうしたいか分からなくなっちゃって」


『そっか。でも里穂、スポーツと栄養を学びたかったんだろ?それを職業に出来ないのかよ』


「その道は、すごい厳しいの。ベテランの管理栄養士さんがいっぱいいるから」


『そう言われれば、そうかも。俺の寮の管理栄養士も、若くはないし』


修斗のいるFCウイングの寮も、管理栄養士さんが食事を作っている。


私も、そういう職業に就ければいいんだけどな。


『でも里穂』


「ん?」


『最初から、そういう職業に就こうと思わなくていいんじゃないか?』


「えっ?」


修斗の言葉に、思わずびっくりする。


『俺、よく分かんないけど、やっぱり経験って大事なんだろ?』


「うん」


『だから、スポーツ栄養出来るくらいまで経験積んで、そしたらそういう職場で働けるかもしれないだろ?』


「そっか」