君の隣~番外編~

杉本君は、チラチラッと俺と視線を合わせては外している。


「どういう関係って・・・修斗は、私が世界で一番好きな人だよ」


満面の笑みでそう言った里穂に、あっそうなんだ、と杉本君はガックリと肩を落とした。


やっぱりこいつ、里穂を狙ってたな。


「里穂が大学卒業したら、迎えに行くって約束してるんだ。だからそれまで、里穂に変な虫がつかないように見張っててくれないか?杉本君?」


だからはっきり、そう言ってやった。


「修斗!」


それから数時間後、片付けまで終えた里穂が、正門で待っていた俺に向かって走って来た。


ちなみに、高橋は一足先に家に帰った。


邪魔ものは消えるね、と言って。


「走ったらコケるぞ」


「コケないもん」


勢い余って俺に抱きついてきた里穂を、しっかり受け止める。


歩きだすと、里穂がしっかりと俺の手を握ってくる。


その手を、ギュッと握り返した。