君の隣~番外編~

「これで、変な虫もつかないだろ」


左手の薬指に指輪、首元には男物の指輪。


これで、里穂に近づく男はいないよな?


「修斗、虫ってなに?変な虫ついてる?」


里穂がクルッと俺の方を向く。


あっ、やばい。


その大きな目には、ウルウルと涙が浮かんでる。


里穂、虫大っ嫌いだった。


「なんでもない。虫なんていないから気にするな」


そう言って里穂の頭をなでると、明らかにホッとしたような表情をする。


「ふふっ。里穂最高!」


「へっ?なんで綾香笑ってるの?」


急に噴き出した高橋に、里穂はえっ?という不思議そうな顔をしている。


「虫って、里穂。その虫じゃないよ」


あははと声を出して笑う高橋に、里穂はますます意味が分からないという顔を向ける。