まあ、正直カワイイって思ったけど。


いつもと違う髪型だし、接客をしてるからか、すごい笑顔だし。


でもそんなこと、恥ずかしくて誰にも言えるわけない。


「でもさ里穂、さっきからやけに隣の男の子と話してるよね」


「同じゼミ仲間なんじゃないの?」


「へーカッコいいじゃん」


里穂の隣には、背が高く、高橋いわくカッコいい男が立っていた。


「あっ、里穂の髪直してる」


おだんごからほつれて出た髪を、顔にかからないように耳にかけてる。


「なんか、いい感じ?」


そう言って高橋が、俺を見た。


「なんだよ」


「里穂、取られちゃうかもね~」


「あのな」


ふふ~と楽しそうに高橋は笑った。