修斗の掌の中には、宝石はついていないものの、私の指輪と同じデザインの指輪が乗っていた。


「修斗は指輪なんだね」


「俺の場合、つけてても邪魔じゃないし。それ、つけてやろうか?」


「うん」


マフラーを外して、髪を上げる。


鎖骨の辺りに、冷やりとした感触。


「ちゃんと迎えに行くから。まあ、里穂が4年でちゃんと大学卒業出来ればの話だけどな」


「出来るもん。これでも、成績はトップの方なんだから」


振り向いて文句を言えば、分かってると笑われた。


「ちゃんと管理栄養士の国試だって受かってみせる。修斗の隣にいれるように、私頑張るから」


「ん。期待してる」


不意に体を引き寄せられ、どちらともなくキスをした。


「浮気はヤダからね」


「するかよ」


いつもより少し痛く、でこピンをされてしまった。