外に出ると、一気に大量の汗が噴き出てきた。


蝉がミンミン煩く鳴いてるし、ふざけんなって思うくらい暑いのに、顔を半分覆うくらいに布団を被ってる里穂が心配でしょうがない。


「とりあえず、家行ってみるか」


りんごゼリーが食べたいと言った里穂の望みを叶えるため、とりあえず自分の家に戻った。


カチャっと音を立てて、玄関を開ける。


「修斗?」


その音に気付いたのか、母さんが台所からひょっこりと顔を出した。


「里穂ちゃんは?」


首を横に振ると、心配そうな母さんの顔が返って来た。


「りんごゼリー食べたいって」


そう言って台所の隅々まであさるも、目的の物は見つからない。


「ごめん修斗。今りんごジュースも寒天もないのよ」


「いいよ。買ってくるし」


車出そうか?という母さんの申し出を断って、近くのスーパーまで自転車を走らせる。


目的の物だけ急いで買って、母さんのいる台所に戻った。