「なあ、里穂」


「ん?」


夕食の用意をしていると、凱斗と果穂を抱っこして修斗がキッチンに入ってきた。


「来週さ、試合休みじゃん。近くに住んでる後輩たち呼んで、食事会したいんだけど」


「うん、いいよ。なに食べたいか聞いておいてね」


「サンキュ。悪いな、子供たちもいるのに」


「いいよいいよ。この子たちも、お兄ちゃんがいっぱい遊びに来てくれて嬉しいでしょ」


私たちがイングランドからドイツに帰ってきて早2年。


ドイツでは今、修斗の後輩たちが数多くプレーしている。


まだまだ20代前半の若い子たちを気にして、修斗は時間が出来るとこうして後輩たちを自宅に招待することが多くなった。


私もそれには大賛成で、修斗が連れてきたいと言ったときは快くOKしている。


子供たちも若いお兄ちゃんに遊んでもらえて、嬉しいみたいだしね。


毎回4・5人は来るから料理の用意が大変なんだけど、それでも彼らのリクエストにはなるべく答えるようにはしている。


正直、海外に出て初めて一人暮らしをしたって子もいるんだよね。


だから修斗は、サッカーのことはもちろんだけど、彼らの生活全般も気にかけてるみたい。