翌朝、いつもより早起きした里穂と子供たちは、玄関まで俺を見送ってくれた。


「じゃあ、行ってくるな」


凱斗と果穂に目線を合わせてそう言って、二人の頭をなでる。


「お父さん、頑張ってね。私、お母さんのお手伝いちゃんとする」


「俺も果穂とお母さん、ちゃんと守る!だから、点いっぱい取って来てね」


「おう。お父さん、頑張ってくる。お土産買ってくるからな」


わしゃわしゃと二人の頭をなでて、立ち上がる。


「行ってくる。子供たちのこと、よろしくな」


「うん、大丈夫。頑張ってきてね。いってらっしゃい」


里穂から抱きつきたいオーラが伝わってくるけど、子供たちの手前我慢しているのが分かって、思わず苦笑いを浮かべてしまう。


「お父さん、行く前にギュってして」


果穂と凱斗に言われ二人を抱きしめて、里穂の方をチラッと見る。


そして目が合った瞬間、「私も!」と言って、凱斗と果穂と俺を抱きしめるようにして抱きついてきた。


3人のくっつき虫に抱きつかれて、一段とトレーニングへのやる気が出てくる。


これで今回のトレーニングはバッチリ活躍出来るなと思いながら、家を出た。





……END