「お父さん、抱っこ」


「ん。おいで」


練習が終わり家に帰り、リビングでテレビを見ながらくつろいでいると、果穂がそう言って俺に抱きついてきた。


「DVD見る」


「いいよ。何にする?」


「ミッキー」


「わかった」


果穂を膝の上に乗せながら、リモコンを操作してDVDを開始する。


しばらくすると、昨日も一緒に見たディズニーの映像が流れてきた。


「これでいいか?」


「うん!」


満足そうにうなずいた果穂は、俺の胸に背中を預けてテレビの画面に集中する。


しばらくそうして二人でDVDを見ていると、「あ~果穂ばっかりズルい!」と言って、凱斗がリビングに入ってきた。


「俺も、お父さんのところ座りたい!」


そう言って凱斗が、俺の腕をブラブラと揺らす。