やっぱり不思議そうな顔をしながらも、素直に従ってくれる里穂。


「これでいいの?」


「うん、完璧!これぞ彼ジャー」


「彼ジャー?」


スカートが隠れるくらいに長い裾と、手が隠れるくらい長い袖、彼ジャーの意味が分からなくて首をかしげている里穂は、女の私から見ても相当かわいい。


「どうよ、修斗君。里穂、かわいいでしょ?」


里穂の肩を持って、修斗君の方を向かす。


「別に、かわいいとか……」


そう言ってる修斗君だけど、口元を手で押さえて耳まで真っ赤。


「素直に認めないと、里穂のこと、教室中に見せびらかしちゃうよ」


「おい!」


「ハハッ。冗談」


「高橋が言うと、冗談に聞こえない」


そう言って修斗君は、疲れたようにため息をこぼした。


あれ、ちょっといじめすぎちゃったかしら?