「今日も寒いね、里穂」


「そうだね」


本格的に冬になってきたある日、私と里穂は廊下側の席で縮こまりながら昼休みを過ごしていた。


この前の席替えで、私、里穂、修斗君って順番で同じ列の席になったのはよかったんだけど、廊下側だから寒くてしょうがない。


「てかこの学校古すぎ~隙間風やばい」


「まあしょうがないよ、綾香。だって実際古いもん」


そう言って里穂は「くしゅん」とかわいいくしゃみをし、膝に掛けてあったブランケットを少し上まで引っ張り上げた。


「手、冷たい」


「どれどれ?」


里穂が差し出してきた手をギュッと握る。


「うわっ、冷たい。冷え性?」


「うん。足も手も冷たくてヤダ」


そう言って頬を膨らませた里穂は、本当にかわいい。


「ねえ修斗君。里穂の手冷たいし、寒いって」


「はっ?」