「修斗のお母さんとお父さんにも、突然来てごめんなさいって言う」


「ああ」


だんだんと里穂の目が閉じられてくる。


「寝ろ。ちゃんと布団連れてってやるから」


「うん」


そう答えたあとに聞こえてきたのは、里穂の静かな寝息。


「やっと寝たか」


ずり落ちそうになっている里穂の体を抱えなおす。


「何回泣いてもいい。だから、もうちょっと頑張れな」


涙で頬に張りついた髪を、そっとよける。


「あと、俺の家族はいつでもお前のことは大歓迎みたいだぞ。母さんが里穂の好きなりんごを用意するくらいにな」


そっと立ち上がって、里穂を自分のベッドに寝かす。


なんだか安心したような表情をしている里穂を見て、ホッと息を吐く。


「今日くらい、ゆっくり眠れよ」


そうつぶやいて、いつもより優しい手つきで里穂の頭をなでた。





……END