君の隣~番外編~

そのペンを抜き取ると、つぶられていた里穂の目からポロポロと涙が溢れてきた。


その涙は止まることなく、ラグを濡らしていく。


「修斗」


「ん?」


「私、頑張ってない?頑張れてない?」


「んなことねえよ。里穂は頑張ってる」


頬に落ちる涙を拭って、里穂の手を引っ張り体を起こす。


そのまま里穂の体を、自分の胸の中に閉じ込めた。


「この前の模試、昨日返ってきて」


「ん。そうだな」


小さな小さな声を聞き漏らさないように、耳を傾ける。


「点数上がったんだよ。でもお母さんが、もっと頑張れって。もっと頑張らないと、大学受からないよって」


それだけ言うと、また里穂はポロポロと泣き出した。


「私、ちゃんとやってるのに……」


「ん。里穂はちゃんとやってる」