「寝るか?話なら明日の朝でもいいし」


「ううん。それでね、試合のチケット、いつもは修斗が用意してくれるけど」


「うん」


「自分たちで買って、試合行こうと思うの」


そう言うと、私の頭をなでていた修斗の手が止まった。


「自分たちで?結構大変だと思うけど?」


「うん、分かってる」


修斗が所属しているチームは世界でも人気のあるチームで、チケットは発売と同時にすぐに売り切れてしまう。


だから試合を観戦するときは、いつも修斗がチケットを取ってくれていた。


「いつも修斗がチケット用意してくれるのはありがたいんだけど、でもそれって特別なことだと思うの。子供たちに、それを普通だと思って欲しくないというか」


「それもそうだよな」


「だから、子供たちと頑張る!」


「そっか。なんか分かんないことあったら聞けよ?」


修斗の胸の中で、「うん」とうなずく。


「それから、凱斗と果穂で、修斗のユニフォームとチケットホルダー買いに行かせようかなって」