私たちがドイツからイングランドに渡って1年弱。


イングランドのプレミアリーグでも、修斗は大活躍していた。


子供たちは4歳になり、毎日楽しそうに過ごしている。


苦手だった英語も、現地に来たらなんとかなるもので、私も毎日快適に過ごしていた。


「ねえ、修斗」


「ん?」


そんなある日の夜、ベッドで修斗と横になりながら、私は昼間思いついたことを修斗に話していた。


ちなみに子供たちは、隣の部屋で二人で寝ている。


このときだけは、サッカー選手でもなく、子供たちの父親でもなく、私だけの旦那様で、修斗を独り占めできる大切な時間。


「あのね、今度の修斗の試合、子供たちと一緒に見に行こうと思ってるんだけどね」


修斗にギュッと抱きつくと、修斗も抱きしめ返してくれる。


「ふふっ。修斗がぎゅってしてくれて幸せ」


「はいはい。で?試合見に来るならチケット取るけど?」


「そのことなんだけどね」


修斗が頭をなでてくれるから、だんだん眠くなってくる。