「あれ?修斗君だ」


自動販売機にたどり着くと、修斗君も飲み物を買うためかそこに立っていて、私は声をかけた。


「ああ、高橋か。ジュース?」


「私じゃなくて、里穂の分」


「あ~」


私が里穂の名前を出すと、困ったような表情をして頭をかいた修斗君。


「やっぱり里穂、暑さにやられた?」


「うん、相当。もしかしてそれ、里穂の分?」


修斗君が持ってるスポエネを指さすと、「まあ、一応」と言って、また自動販売機にお金を入れた。


「なんか飲む?」


「ううん。私は大丈夫」


「そっか」


そう短く答えた修斗君はジュースのボタンを押し、それを持って歩き出した。


教室に入って、二人で里穂のところに向かう。


相変わらず里穂は、机の上に突っ伏して動いていなかった。