そんな里穂には、長年恋してる相手がいる。


その相手とは、うちの学校のサッカー部のエース、高木修斗君。


修斗君は、これまた里穂同様、うちの学校で誰がかっこいいって聞いたら、一番に名前が上がるほど人気があるイケメン君。


基本的にはクールな性格だけど、常に笑顔で誰からも好かれている。


里穂と修斗君は、生まれたときから一緒の幼なじみ。


お互い思い合ってはいるのに、長年幼なじみという関係が続いているからか、なかなか付き合うまでに発展しなかった二人。


そんな二人がついに、付き合いだしたの!


その報告を里穂から聞いたときは、自分のことのように嬉しかった。


「どっちから告白したの?」って修斗君に聞いたら、「は?別にどっちでもいいだろ」って真っ赤い顔されてはぐらかされちゃったんだけどね。


付き合う前から、「付き合ってないの?」って誰もが思うほど仲が良くて、もう夫婦って感じだったけど、付き合ってからはさらにそのラブラブっぷりが上がった二人。


二人は自覚ないんだろうけど、もうねえ、バカップルって言葉がぴったりなの。


見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうようなことを、ナチュラルにやるからね。


ほんと、無自覚バカップルって、見てて飽きない。


そんなことを思いながら、持ってたうちわで里穂を扇ぐ。


それでも里穂は元気になる様子はなくて、私は里穂に声をかけて自動販売機に向かった。