メールを開くとやっぱり里穂で、そこには今日の勝利を祝う言葉が並べられていた。


それから、随分と画面をスクロールしていくと、遠慮がちにこう書いてあった。


明日会える?また修斗のゼリー食べたいな。


また熱が上がったのか。


たったこれだけの文章で、里穂の言いたいことが分かってしまう。


午後に行けるから。それまで大人しく寝とけ。ゼリーも作るから。


それだけ打って、メールを送った。


たく、ほんとに夏に弱いな。


毎年毎年、よく飽きもしないで夏風邪を引くと思う。


それでも、それが里穂だからしょうがないと思う自分もいて。


ゼリーと食べたいという俺にとってはワガママにもならないワガママを、里穂は遠慮がちに告げてくる。


明日は午前に今日の疲れを取るための軽めの練習、それが終わったら急いで里穂のところに行こう。


二人で会うまとまった時間が取れるのは、きっと里穂が夏休みの間だけだから。


ゼリーを作って、早く里穂に元気になってもらおう。


里穂が笑顔になる、里穂専用りんごゼリーを。






・・・END