昨日より元気な声で、少し安心した。


「明日先発で出るから」


『そっか。じゃあ勝つね。ちゃんとテレビで見てるからね』


「ああ。もう寝ろ。また熱上がるから」


『うん。おやすみ』


おやすみと言葉を掛けて、ケータイを切った。


不思議なもんで、里穂に勝つと言われると本当に勝てるような気がしてくる。


翌日、午後3時キックオフの試合に俺は先発で出場した。


相手サポーターの大声援の中、試合を優位に進めていくのはFCウイング。


フリーキックのチャンス、俺が放ったボールはゴールに吸い込まれた。


ここまで応援に来てくれたサポーターに向かって手を上げると、太鼓や声援で応えてくれる。


この後2点を追加して、FCウイングが勝利を収めた。


試合終わりにシャワーを浴び帰る支度を整えた俺は、鞄からケータイを取り出した。


画面には、新着メール1件。


試合終了直後にメールをよこすなんて、里穂以外いない。