「へ~でも、彼女の話をしてるときの高木選手の顔、サッカーしてるときとは全然違いましたね」


「あっ、田中にも分かったんだ。きっと里穂ちゃんが修斗君の力の源なのよ。お互い信頼してるし、分かりあってるから」


高校時代の二人を思い出して、自然と笑みがこぼれる。


「そうだ。さっきも修斗君言ってたけど、彼女の話は誰にも言わないでよ。ちょっとでも漏れたら、修斗君、きっと取材受けてくれなくなっちゃうから」


「分かってますよ」


田中が返事をしたのと同時に、飛行機が動き出す。


「さっ、少し寝て帰りましょ」


「はい」


私が見つけたダイヤの原石は、今強い光で輝きだした。


この光に、いったい何人の人が魅了されただろう。


そしてこれからも確実に、彼に魅了される人は増えていく。


「頑張ってね、修斗君。そして里穂ちゃんとお幸せに」


里穂ちゃんという生涯の伴侶を得た修斗君は、これからもっともっと輝きだす。


だって里穂ちゃんがいれば、修斗君はどんな困難にでも立ち向かえるでしょ?


そんなことを思いながら、私は静かに目を閉じた。




……END