「髪もサラサラ」


自分の胸の中に閉じ込めておきたいと思うのは、俺のワガママだろうか?


「んっ」


いつまでも里穂に触れているとそれが気になったのか、里穂の目がゆっくりと開いた。


「ごめん、起こしたな」


「ううん」


小さく首を横に振って、ニッコリと笑う里穂。


「修斗」


「ん?」


「あり……と。また……てね」


里穂の目がゆっくりと閉じられる瞬間、聞き取れるかくらいの小さな声が俺の耳に届いてきた。


「あーもう。寝ても起きても、俺は里穂に振り回されるのか」


俺の耳に届いてきた、「ありがと。また抱いてね」って言葉。


「しかも自分だけ先に寝てるし」


熱くなった顔を冷ますように、里穂のために持ってきた水を一気に飲み干す。