「やっぱり」


車まで行くと、先輩3人が里穂を囲む様にして助手席のドアの辺りに立っていた。


「里穂」


「修斗!」


声をかけると、パッと花が咲いたような笑顔を俺に見せる。


その笑顔を見せるのは俺だけにしてくれ、と思いながら里穂に近づく。


そして先輩たちと里穂を離すように、間に入った。


先輩たちに対してちょっと強い口調で話す俺を見て怒っているように感じたのか、里穂が首をかしげながら「怒ってる?」と聞いてくる。


里穂に対しては怒ってないと答えて、車のドアを閉めた。


「急にいなくなったと思ったら、やっぱりここにいたんですね。そんなに俺に彼女がいることが面白いですか?」


「面白いっていうか、うん、面白いな」


「サッカーバカでも、恋してるんだなって思うと」


ハハハって笑う先輩たち。


「てか、お前の彼女、天然ちゃん?」


「まあ、どっちかっていうか、完全に天然ですけど」