そう言って颯爽と歩き出した池谷さんのあとを、慌てて追う。
着いた先は、太一君の病室。
「失礼します。太一君、こんにちは」
病室の入口側にあるベッドに座っている太一君に、池谷さんが話しかける。
子供でもわかり易い言葉遣いで、太一君に質問をする池谷さん。
途中で太一君のお母さんも加わり、池谷さんは短い時間の中でいろいろな情報を聞き出した。
私はその間、池谷さんの隣に立っているだけ。
池谷さんのように答えを導くような質問は思い浮かばないし、太一君のお母さんにアドバイス出来るほどの知識もない。
「聞き出すって大変ですね」
栄養課に戻ってポツリとそう漏らした私に、池谷さんは苦笑いを浮かべる。
「やっぱり、経験かな。いろんな患者さんにあたって、知識を深めること。それから、常に新しい情報をキャッチすること。今はインターネットでいろんな情報が入ってくるでしょ?気づいたら患者さんの方が栄養に詳しいってことになっちゃうから」
「そうですよね」
「里穂ちゃんなら大丈夫だよ。実習のときから優秀だったもん」
「そんなことないですよ」
そう言って首を振る私を見てもう一度「大丈夫だって」と言った池谷さんは、ドクターのところに行ってくると言って栄養課を出て行った。
着いた先は、太一君の病室。
「失礼します。太一君、こんにちは」
病室の入口側にあるベッドに座っている太一君に、池谷さんが話しかける。
子供でもわかり易い言葉遣いで、太一君に質問をする池谷さん。
途中で太一君のお母さんも加わり、池谷さんは短い時間の中でいろいろな情報を聞き出した。
私はその間、池谷さんの隣に立っているだけ。
池谷さんのように答えを導くような質問は思い浮かばないし、太一君のお母さんにアドバイス出来るほどの知識もない。
「聞き出すって大変ですね」
栄養課に戻ってポツリとそう漏らした私に、池谷さんは苦笑いを浮かべる。
「やっぱり、経験かな。いろんな患者さんにあたって、知識を深めること。それから、常に新しい情報をキャッチすること。今はインターネットでいろんな情報が入ってくるでしょ?気づいたら患者さんの方が栄養に詳しいってことになっちゃうから」
「そうですよね」
「里穂ちゃんなら大丈夫だよ。実習のときから優秀だったもん」
「そんなことないですよ」
そう言って首を振る私を見てもう一度「大丈夫だって」と言った池谷さんは、ドクターのところに行ってくると言って栄養課を出て行った。


